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不屈の日本:コラム @日本マネージメント・リサーチ

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コラム@『TPPガイドブック』

不屈の日本

■text by 野口 秀行


 新刊TPPガイドブックが発行になります。原稿執筆中に東北地方太平洋沖地震に遭遇した著者より、檄文が寄稿されております。

 

●震える日本

 この原稿執筆中に東北地方太平洋沖地震が発生しました。被災され亡くなられた多くの方に心より哀悼の意を表したいと思います。阪神淡路の死者数を上回り戦後最大の災害ということになりますが、1000年に一回とも言われるM9.0の大地震と津波には、私たちの想像を絶するものでした。

 追い討ちをかけるように福島原発の事故が報じられ、国際金融市場では円高が昂進し、一時1ドル=76円台をつけるなど、この国は建国以来の危機に瀕しているように思えます。

 思い起こせば、阪神淡路大地震の際は村山政権、そして今回の東北東日本大地震は菅民主党政権と、我が国に統治経験や能力に乏しい政権の時に起こっていることも、日本や日本人の危機に対する対応力に自信を持ちつつも、私たちを漠然とした不安に陥れている要因の一つなのかもしれません。

 菅政権には、福島原発の処理と震災復興が当面の喫緊の政治課題ですし、そこに美辞麗句やパーフォーマンスではない、それこそ全身全霊を傾けてほしいと思います。私たちにも、災害復興を成し遂げ以前の日本を取り戻すには、国民が一丸となって取り組んでいくことが求められています。

 

●勇気をもって新たなビジョンを

 それゆえTPP参加問題は、当分棚上げされることになるのかもしれませんが、しかし、いずれ世界経済を牽引する国や地域は、成熟化したG7からBRICsなどG20へと移行し、世界貿易のルールが変わり、相対的に日本の発言力も落ちてくることは不可避と考えられます。

 TPP参加問題は、我が国のアジア外交の方向性や産業構造の変革等、これまで解決を先送りしてきたこの国に待ったなしの決断を迫っているのではないでしょうか?災害復興と同時に、勇気をもって新たな日本のビジョンを作っていくことです。パフォーマンスだけでは、この国を司っていくことは困難です。

 お分かりでしょうか「菅」さん!!!

 

●不屈の日本

 我が国は未曾有の国難に直面することになりましたが、世界は日本がいずれこの国難を克服するであろうとみなしています。以下は「不屈の日本」と題したウォールストリートジャーナルの社説です。随分と元気づけられる記事ですので全文を転載させていただきました。


引用:

 11日に日本を直撃したような規模の地震からは、どの国も無傷ではいられない。

 地震では少なくとも1000人が死亡した。その被害にもかかわらず、1億2600万人の人口を抱えるこの島国が、1900年以降で5番目の規模の大地震にいかに適切に対応しているかは、注目すべきことである。

 三陸沖を震源地とするマグニチュード(M)8.9(注:現在ではM9.0に訂正されています。1000年に一度の巨大地震です。)の地震では高さ約10メートルの津波が発生し、津波は53カ国にも押し寄せた。この巨大地震にもかかわらず、日本人が母なる大地からのこの猛威を切り抜けるために比較的よく準備ができていたことについては言及せざるを得ない。日本は文字通り、立ち上がっている。いかにすれば、人間の計画と産業社会が自然災害に対処できるかの証として。

 年間数百回の地下振動を経験する国である日本は、1891年のM8.4の地震以来、耐震に配慮した建物を作ってきた。1965年まで建物の高さは30メートル程度までに制限された。しかし都市人口の増加に伴い、この建物の高さ制限は撤廃された。日本の木造住宅は沿岸地域では津波に脆弱だったが、高いビルは今回の地震では持ちこたえたようだ。1993年に完成した横浜ランドマークタワーの高さは約300メートル。地震国日本では驚異的な高さだ。最先端の建築工学を駆使できる技術と富を投入できて初めて、このような高層ビルの建設が可能になった。

 07年10月には緊急地震速報が導入された。この世界最先端の地震早期警戒システムは11日の地震の際にも、テレビ、ラジオ、携帯電話などで都民に警報を出したことで評価を高めた。この警報により、地震が起きる前に工場やエネルギー施設、輸送機関などには操業を停止する余裕が生まれる。

 最大の懸念事は、今回の地震で自動停止した原発の炉心を冷却する能力だ。米国は冷却剤を送っている。日本は現在、大規模な復旧に直面している。しかし、それは過去300年で最大の地震の後に必要になるかもしれなかった程度よりも、軽度なものだ。われわれは、日本に似たような警戒システムが他の地震国でも開発、導入されることを期待する。日本の準備態勢は昨年のハイチ地震や、7万人が死亡した08年の中国四川大地震などとは対照的だ。

 ハイチは何十年も続いた失政による貧困のせいだとしている。中国は富はあるが、その政府は誰からも責任を問われない。95年の阪神大地震以来、日本は度重なる改革を行ってきた。 日本は最近、マスコミなどでは評判が悪い。経済成長は低迷し、政治家の失政に、大部分が生産的な国民は当惑している。しかし、間違いなく日本は依然として産業大国だ。11日の地震の壊滅的な影響にもかかわらず、近代国家としての日本の業績がもたらす自国を守るという恩恵は指摘せずにはいられない。

 

●日本が再び蘇る日

 既に述べてきましたように、日本経済は依然として強い産業競争力を保持するとともに、経常収支の黒字を長年にわたり継続してきました。その結果、世界屈指の約250兆円の海外純資産を保有し、放漫な政府の財政赤字を補って余る金融資産を保有しているのです。地震直後こそ円は売られ円安に転じましたが、すぐに買い戻され80円前半まで買い進められました。

 国際金融市場は、日本が再び蘇る日が来ることを信じています。日本の国難に際し、多くの国が援助の手を差し伸べようとしています。既に述べましたが、世界の人々は日本という国、そして日本人に対してリスペクトしてくれています。みんなが見守ってくれているのです。それは、私たちが「サムライ」の末裔であり、「公」と「私」の峻別ができる素養を身につけているからに他なりません。私たちは、それに応えられるように努力していかなければならないと思います。

野口秀行事務所代表/ノースアジア大学 経済学部特任教授/前 株式会社日本インテリジェントトラスト常務取締役 開発総合研究所所長

著者: 野口 秀行

野口秀行事務所代表/ノースアジア大学 経済学部特任教授/前 株式会社日本インテリジェントトラスト常務取締役 開発総合研究所所長

多様かつ豊富な指標を参照しながらも、分析の明快さを失わず、複雑な問題を理解しやすい文章に変換する。